【太陽光発電システムはお得?】運用2年目の実績から考察します

zangi

30代エンジニアです。日中仕事しつつ、趣味のゲーム、漫画、筋トレに日々勤しんでいます。このブログで紹介する記事をきっかけに読者の皆様に興味持ってもらえたら嬉しいです。

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こんにちはzangiです。

今回は、zangi家で運用している太陽光発電システムの運用実績を紹介します。

過去に、太陽光発電システムの導入メリット/デメリットについて紹介しています。よければこちらも参考下さい。

運用2年目で分かってきたこととしては、保証期間内に導入コストの元を取ることは非常に難しいということです。

本記事ではzangi家の運用実績と合わせて、なぜこのような結論が見えてきたかの根拠となる計算手法も紹介します。

太陽光発電の導入をこれから検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

↓本記事では以下がわかります。

目次

1.zangi家の運用実績

2.売電価格だけで元を取るのは不可能!

3.【結論】保証期間内(25年)で元を取るのは難しい

4.まとめ

zangi家の運用実績

いきなりですが、ここ2年間のzangi家の運用実績は以下になります。

※単位:円

2020 太陽光開始
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 通年総計
電気代 26080 25016 14903 14030 12590 11417 11004 16732 9015 13318 10425 12615 177145.6
売電代 1016 4473 4920 4910 4847 1304 4202 2045 3448 4255 1615 37036
総計 26080 24000 10430 9110 7680 6570 9700 12530 6970 9870 6170 11000 140110
2021
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 通年総計
電気代 27612 20604 18573 11925 10598 7762 14575 13707 17375 13990 14700 16390 187808.8
売電代 2132 3604 6273 6825 6248 4862 2875 2207 3675 3680 4750 3720 50849
総計 25480 17000 12300 5100 4350 2900 11700 11500 13700 10310 9950 12670 136960
2022
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 通年総計
電気代 24660 18440 17970 14380 10420 85870
売電代 2440 3440 4410 7030 8270 25590
総計 22220 15000 13560 7350 2150 0 0 0 0 0 0 0 60280

今年分はまだ5月なので中間報告になってしまいますが、ここ2年で毎月の電気代が下がってきています。

えっ?確かに下がっているけど、2020年-2021年で見ても、せいぜい4000円位で対して下がってないじゃないか? という声が聞こえてきますね。

確かに金額だけ見るとそのように見えますが、実はカラクリがあります。これを見てみてください。

月の電気代は、以下3つの金額から算出されています。

①電気使用料

②再エネ発電賦課金

③燃料費調整費

①は、プランごとに基本単価が決まっているため、値上げがない限り料金は変わりません。

②はざっくり言うと、以下理由で課せられている料金です。

・国が太陽光発電を推進するために、太陽光発電持ちの一般家庭から各電力会社に電気代を買い取るよう指示。

・電力会社はしぶしぶ受け入れるが、まともに払うと採算取れないので、全家庭から再生エネルギー発電名目で追加料金を徴収。

・zangiのような太陽光持ちの家庭が売電金額を得る…(なんかすみません)

太陽光のような再生エネルギー施設持ちでない家庭にとっては「ふざけんな!」という声がでそうな不公平な料金です。ただ、これも電気会社が単価を引き上げない限り変動しません。ここ数年は、ほぼ一律ですね。

しかし、③はメチャメチャ変わります。というのも、この料金は、火力発電所を稼働させるための燃料費に関わる料金だからです。燃料=石油と考えていいです。

なので、石油単価が高騰すると単価が上がり、結果的に電気代が上がります。

ちなみに最近石油が高騰しつづけるような出来事がありました。そう、ウクライナ危機です。この危機か始まって以来、ずっと燃料単価が上がり続けているため、その影響で2022年の電気代は高止まりしています。

話が少し横道にそれましたが、上記を踏まえて2022年1~5月までの総計を見ると、2021,2020年の同時期と比較してそこまで大差がないことがわかります。これが節約効果が出てきていると判断した根拠です。

ちなみに2022年5月 vs 2021年7月の燃料費調整単価は以下です。

2021年7月:-1円52銭

2022年5月:3円36銭

※1kWh当たりの金額

見ての通りウクライナ危機真っ只中の2022年は、2021年と比較して単価が爆上がりしています。というか、去年だとマイナス単価なので例えば1か月の電気使用量が500kWhだと仮定した場合、2021年7月は約-500円に対し2022年5月は+1500円にもなり、差額だけで2000円もの差が生じています。この差は本当に大きいです。

今後も危機が続く限り、電気代はどうしても高止まりする傾向にあるでしょう。ですので、より一層の節電意識が重要になります。

一方、売電金額はほぼ横ばいです。前回の記事でも紹介しましたが、売電金額は固定買い取り制度(10年間)で21円/kwh(※zangi家の場合)と決まっているからです。

これ以外だと天候がダイレクトに売電金額を作用しますが、年単位でみると平均化されるため、そこまで差はなくなります。そういう意味では、安定しているとも言えますね。

繰り返しになりますが、これからの時代は節電意識を持つことが本当に重要です!

売電価格だけで元を取るのは不可能!

太陽光発電システムで元が取れるかどうか? の話になると、必ずと言っていい程この話が出てきます。結論から言うと、売電金額だけで初期費用コストの元を取ることは不可能です。

先にも話した通り、zangi 家の売電単価は21円/kWhで、搭載されている太陽光パネルの最大出力がMax 3.76kWhのため、これまで最高でも8,270円/月(2022/5月)がやっとな状態です。

絶対にありえない想定ですが、仮にこれが1年間続いたとしても99,240円/年 =約10万円/年 ですが、これでは初期費用240万円(※zangi家の場合)を全部払いきるのに24年もかかってしまいます。

前回の記事でも述べた通り、太陽光パネルの出力保証期間は約25年、蓄電池が約15年で、特に蓄電池はパワーコンディショナーの入れ替え費用に約30万円かかると考えると、保証期間内に売電金額だけで元を取るのはほぼ不可能という事がお判りいただけると思います。

という訳で、売電価格以外の節約効果込みで元は取れるのか? に関して次項で解説します。

【結論】保証期間内(25年)で元を取るのは難しい

残念ながら、今の実績から予想した場合文字通りの結論となってします。根拠となる計算手法について、zangi家の実績データをもとに解説します。

□計算条件

・zangi家の2021年7月~2022年5月の11か月間の以下実績データを整理

太陽光有り/なしの場合の電気使用量算出

② ①の結果から実際の料金を算出

③ ②の結果から、太陽光有り/無しの差額(=節約金額)を算出し、初期費用225万円を何年でペイできるか? の想定年数を算出。

□結果解説

太陽光有り/なしの場合の電気使用量算出

まず太陽光有の場合の電気使用量は以下になります。この11か月で7320kWhほど使用しています。夜間に蓄電池を充電するプランのため、夜間使用量が多いのが特徴です。

ちなみに、以下表の昼間使用量は、日中使用した総使用量から太陽光発電量を差し引いた値になります。

・太陽光発電有り の電気使用量

※単位 kWh

電気使用量
(太陽光発電有り)
2021/7 2021/8 2021/9 2021/10 2021/11 2021/12 2022/1 2022/2 2022/3 2022/4 2022/5 総計
①昼間使用量 290 304 334 273 262 280 457 356 260 163 69 3048
②夜間使用量 275 329 314 295 354 480 471 474 450 440 390 4272
total 7320

ちなみに以下が、実際の発電量と売電量のまとめとなります。zangi家は子供がまだ幼いために日中、家に人がいる関係で発電した電気を多く使用しています。なので、売電金額がちょっと伸び悩んでいる印象です。

ただし、これは家庭環境にも大きく左右されます。例えば子供が成長して通学したり、外に仕事に出ることで家を空けるような状況になれば、改善の余地はありそうです。

太陽光発電量 2021/7 2021/8 2021/9 2021/10 2021/11 2021/12 2022/1 2022/2 2022/3 2022/4 2022/5
①発電量 372 348 354 316 352 235 323 309 461 510 512 4092
⑤売電量 137 105 175 178 216 116 161 156 287 358 364 2252

このデータから、もし太陽光発電がなかった場合の電気使用量を算出します。かなりおおざっぱですが、①日中の発電量 がそのまま実際の使用量に上乗せされたと仮定します。また、ちょっと極端ですが、夜間の電気使用量は0と仮定します。

それらを加味した結果、以下のようになりました。

・太陽光発電無し の電気使用量

太陽光有りの場合の総使用量が7320kWhに対し、こちらでは7140kWhと少なくなっています。こちらについては、乱暴ですが誤差 とさせてください。。。。

※厳密に言えば、太陽光有りの場合の実際の使用量の内、今は昼間のみに特化してデータを作っていますが、実際には夜間の使用量の内、蓄電池に充電されない時間帯(夜11時以降~)以外で使用した電気使用量も入り込んでいる結果、差が生まれたと考えています。ココは厳密には見積もれないため、誤差とした次第です。

※単位 kWh

電気使用量
(太陽光発電無し)
2021/7 2021/8 2021/9 2021/10 2021/11 2021/12 2022/1 2022/2 2022/3 2022/4 2022/5 総計
①昼間使用量 662 652 688 589 614 515 780 665 721 673 581 7140
②夜間使用量 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
total 7140

以上のデータを実際の電気料金に落とし込んでいきます。ただ落とし込む際の条件は、以下2通りの単価表から算出します。

①太陽光有の場合の単価表

→昼間は太陽光発電で節電し、夜間の安い料金で蓄電池を充電するプランです。

東北電力の時間帯別電灯Aプランからとっています。

時間帯別電灯A 区分 単位 料金単価
電力量料金 昼間 最初の90kWhまで 1kWh 22円09銭
90kWhをこえ230kWhまで 1kWh 30円13銭
230kWhをこえる 1kWh 34円83銭
夜間 一律 1kWh 11円12銭

②太陽光無しの場合の単価表

→こちらは昼間に集中して電気を使用するプランで想定しています。電気料金に夜間区分は存在しません。

従量電灯B 区分 単位 料金単価
電力量料金 昼間 最初の120kWhまで 1kWh 18円58銭
120kWhをこえ300kWhまで 1kWh 25円33銭
300kWhをこえる 1kWh 29円28銭

大変お待たせしましたが、上記から金額算出した結果が以下となります。

※単位 円

電気代換算 2021/7 2021/8 2021/9 2021/10 2021/11 2021/12 2022/1 2022/2 2022/3 2022/4 2022/5 総計
太陽光有り ①昼間料金 8296 8784 9829 7704 7321 7948 14113 10595 7251 4188 1524 87552
②夜間料金 3058 3658 3492 3280 3936 5338 5238 5271 5004 4893 4337 47505
③売電料金 2875 2207 3675 3740 4536 2434 3371 3268 6029 7516 7644 47294
total 87762
太陽光無し ①昼間料金 17383 17098 18153 15257 15992 13084 20846 17462 19122 17719 15002 187117
②夜間料金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
total 187117
11か月差額 99355
12か月差額 108387
ペイ年数 21

両者の差額は約10万円/11か月、平均値予想から約11万円/1年となります。この11万円/年で初期費用225万円を割った場合、初期費用をペイできる予想年数は21年となります。

ただし、これ以外にもパワコンディショナーの交換(15年目安)に30万円(=+約3年)かかる点や、売電単価が21円/1kWhである期間が10年であることを想定すると、実質保証期間内(25年)でのペイは非常に難しいと考えています。

ただ、zangiが太陽光発電を導入した2019年から蓄電池の性能(大バッテリー化)や、より出力効率の高い太陽光パネルの開発、それに伴う初期コストの低下 など技術は当時よりも進んでいることを踏まえると、今から検討する場合はzangiよりも短期間でペイできる可能性はあります。

ですので、現在設置検討されている方は、以下を必ず確認するようにお勧めします。

①初期コスト ※高すぎる導入コストは不幸の元です。

②現在の売電価格 ※こちら年々下がっていますので要注意です

③発電量シミュレーションの妥当性と電気料金に落とし込んだ場合の節約見込み

※ここは本当に大事です。販売員のシミュレーションデータは、基本信じてはいけないです。特にいい結果しか言わない販売員は要注意です。

まとめ

今回は、zangi家の過去2年間の太陽光発電実績を紹介しました。

残念ながら、zangi家の結果からは、初期費用を保証期間内にペイすることはほぼ不可能であることが判明しましたが、元々のzangiの導入モチベーションが災害時の停電対策であったため、導入に関して後悔はしていません。

ただ、これから導入を検討される方が、zangiのように災害を想定してのモチベーションが最優先であればいいのですが、少しでも早く初期費用をペイして節電による家計コスト低減を最優先とするのであれば要注意です。

というか、元を取るのに25年以上かかる可能性高いため、若い内に導入して年月をかけて元を取る戦法を取るくらいしか、zangiは思い浮かびませんでした。

なので、すぐに結果が欲しい人には全く向かない投資と考えます。本記事が、太陽光発電の設置に迷っている方の参考となれば幸いです。

それでは今日もナイスな節約ライフを~。

 

 

 

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