こんにちはzangiです。
今回は、料理漫画のピカレスク【鉄鍋のジャン】を紹介します。
■掲載誌:週刊少年チャンピオン
■連載時期:1995年~2000年
■作者:西条真二
■料理監修:おやまけいこ
この作品は、従来の料理漫画の概念をぶち壊すほどの衝撃がありました。当時高校生だったzangiは、この漫画で中華料理のすばらしさ、奥深さについて学びました。
良くも悪くもインパクトのすごい作品ですので、料理漫画ってイマイチ盛り上がりに欠けるんだよね なんて思われている方は、一読をおススメします。
『鉄鍋のジャン』のあらすじ
中華料理が題材の料理バトル漫画です。主人公の秋山ジャンが、持ち前の超絶技術を駆使して並みいる料理人や強烈なライバルたちをなぎ倒していく痛快料理バトル漫画です。
ちなみにタイトルにある「ピカレスク」とは悪党という意味です。スペイン語のピカロが語源だとかなんとか。
「主人公が悪党だと漫画としてはNGなんじゃないか?」と思われる人もいると思いますが、逆にそこがこの漫画の魅力なんです。
主人公がどんな手を使ってでも勝利する悪党だからこそ、正々堂々と料理勝負する王道系料理漫画とは一線を画しているんです。
例えば王道系料理漫画だと勝負の決着は、大概「お前強いな!また勝負しようぜ」とか「次までに腕を上げるからもう一回勝負しよう」のような毒にも薬にもならない終わり方です。
しかしこの漫画では、主人公のジャンが敗者を徹底的にディスることで二度と歯向かえなくなるほどの追い込む描写が多く描かれます。正直全く容赦がありません。
こういった態度のジャンなので、当然敵も多くなるワケですがそんなジャンが勝負を通じてに料理人としても人間としても成長していく様を見ることができるのも本作の大きな魅力です。
全体として料理勝負の派手さが目立つ本作ですが、描かれている料理は有名フードコーディネーターのおやまけいこ氏がしっかりと料理監修されています。
なのでどの料理も非常においしそうな点も本作の一押しポイントです。
主要キャラクター紹介
秋山ジャン
年齢は16歳ですが、見た目通り非常に好戦的で気性が荒いです。作中では【中華の覇王】と呼ばれた重鎮【秋山階一郎】孫で、幼少期から徹底的に中華の基本を叩き込まれた純粋培養の料理人 という設定です。
彼が行くところには必ずトラブルかバトルが起きます。スーパートラブルメーカーですね。
五番町霧子
ジャンと同じく16歳のヒロインです。ちなみにこの子もただモノではありません。作中では【中華大帝】と呼ばれた重鎮【五番町睦十】の孫娘でジャン同様幼少期から徹底的に中華の基本を叩き込まれている職人です。
この二人が強敵たちとバトルを通じて切磋琢磨していく様子が本作のメインストーリーです。
鉄鍋のジャンの見どころを紹介
本作の魅力は何といっても「強烈な個性を持つライバル料理人」との熱すぎるバトルです。
どのライバルも正直一人見たらお腹いっぱいになりそうな個性派ぞろいですが、そこが本作の熱烈なファンを生み出す要素なんです。
ここではそんな強烈なライバルとの熱いバトルの一部を紹介します。
強烈なキャラクターとの料理バトル
主要キャラと強力なライバル達は、料理に対して必ずモットーを持っています。
例えばジャンや霧子の場合だとこんな感じですね。
主役キャラだけにモットーも王道ですね。
作中ではジャンの【料理は勝負】と霧子の【料理は心】という相反するイデオロギー、どんな手を使っても勝つことを優先するジャン とそれを許さない霧子の掛け合いも見所です。
また、鉄鍋のジャンでは料理は後出しが有利 の法則は全く通用しません。
初めにライバルが料理を出して、「旨いっ、旨すぎるこれ以上の料理などない!」なんて審査員が舞い上がって、ライバルがドヤ顔するのが定番ですよね。
多くの料理漫画では、その後に主人公がもっと旨い料理を出して、「こんなものがこの世に存在するとは・・・」みたいなコメントでドヤ顔のライバルを沈めます。読者の溜飲も下がる定番の展開ですね。
ところがジャンの場合、勝つためならばあえて先に料理を出してしまいます。初めて読んだzangiは「コイツ負けるな」と内心思いましたが、きちんとした戦略がそこにはありました。
いや、こんなのダメだろ。。。と思いましたが、よく考えると先に超絶甘い料理でお腹いっぱいにしてしまえば、後の料理を食べる気なんてなくなりますよね、なるほど。。。(いや、納得するなよ!)。
ジャンプ系漫画では絶対できない、ちょっと尖った少年チャンピオンだからできたのかなと思います。
主人公がこれだけ強烈だと当然ライバルたちも強烈な個性をお持ちです。
その中でもzangiは、以下の方々とのバトルが好きで何度も読んでいました。
蟇目ダン:【料理は才能】
ジャン達が働いている五番町飯店に過去務めていたジャン達の先輩にあたります。明らかにカタギではないこの人は、五番町飯店の資金で中国修行をした後、五番町飯店には戻らずに独立を画策した恩知らずのトンデモキャラです。
過去の描写では穏やかな感じでしたが、修行を積んだ後は傲慢な人物になってしまいました。そんな彼とのバトルは、観客無しのサシでお互いの料理を食べ合う という異色の内容です。最後は、お互いの料理を食べてWノックダウンするのですが、そんな結末は、この漫画以外見たことがありません。
五行道士:【料理は成仏】
zangiが一番好きなキャラになります。蟇目も大概でしたが、この五行道士の暴走っぷりはそれどころではありません。道士と名が付く通り、彼は表向き【食医】と呼ばれる食事で健康管理、治療を行うことを生業とした人です。
【食医】の五行道士の料理はどれも健康によく美味しそうですが、そんな彼の本当の顔をジャンがバトル中に暴いてしまいます。
ブチ切れた五行道士は、本当の顔である【裏食医】をとして料理を出します。【裏食医】とは【食医】と逆で食事で相手を支配するのが生業だそうです。
そんな彼の料理は、一度食べたら自分の意思とは無関係に食べ続けることになる恐ろしいものです。てか、シャシャシャシャーッって言ってる人の作った飯を食わされるとか怖すぎますよね。
結局最後は、五行が店のスポンサーのオバちゃんを怒らせてしまい強制退場となります。正にカオスですね。。。
こんなのばっかりですが、zangiは嫌いではありません。てか、そもそも【料理は成仏】なんて言ってる時点でぶっ飛んでますね。
今でも大好きなキャラの一人です(結局好きなんかい!)
刈衣 花梨:【料理は科学】
この人、実は執事が本職で料理人ではありません。なのでジャンから完全に舐められていますね。でもzangiはこの人が大好きです。なぜなら作中で唯一ジャンに勝利した相手だからです。
この勝ち方が本当に戦略的で、zangiは刈衣さんにメロメロになりました。【料理は科学】というだけあってジャンの料理の弱点を的確についていました。負けた理由が理解できないほど叩きのめす様は圧巻です。
この時出した子羊の岩塩ローストが、これまた本当に美味しそうです。
とはいえ、このままでは主人公としてもメンツが立たないため、リベンジマッチで刈井さんを撃破するのですが、よほど負けたのが悔しかったのか、刈衣さんと揉め始めます。描写的に彼は本当に主人公なのか?と疑いたくなりますが、そこがまたいいんですよね。
このような形で強敵との料理バトルをメインにストーリーは進んでいきます。どのバトルも一度みたら強烈すぎて忘れられないこと間違いなしです。
食べるラー油の先駆け
バトルの事ばかり話してきましたが、もう1つの魅力は出てくる料理が本当に美味しそうな点です。中でもトップクラスで有名なのは、飲めるラー油ではないでしょうか?
zangiがこのラー油の話を読んだ当初は、まだ飲めるラー油どころか、食べるラー油すら発売されていませんでした。
ラー油と言えば餃子にかけてちょっと辛くするオマケくらいしか理解がなかったんですが、この話を見て、ラー油でもしっかり作れば最強の調味料になりえるんだと感心しました。
そこから10年以上たった今では、どのスーパーでも食べるラー油が売っていて、ご飯の最強のお供として地位を確立しています。完全に時代を先取りしているおやまけいこ氏には本当に感服しますね。
まとめ
既存の料理漫画ではありえないスケールの料理バトルとキャラの強烈さに目が行きがちな本作ですが、料理監修が素晴らしいためにどの料理描写も本当に美味しそうなのが特徴です。
また、ここには書いていない他のキャラも当然ながら強烈なツワモノばかりですので全く飽きを感じさせません。
本作はシリーズ化しているので、ぜひ興味出た方は一読してみてください。
それでは今日も良い漫画ライフを~。
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